
不眠にはさまざま
- 寝入るまでに時間がかかる (入眠障害)
- 途中でしばしば目が覚める (中途覚醒)
- 眠りたいときに眠れない (睡眠リズム障害)
- 熟睡感が得られない
もちろん、寝具を変えたら不眠が治るというものではありません。
重度な睡眠障害は、まず専門医の受診を
特に日常的な生活に大きな悪影響を与えているような重度な睡眠障害は病気として専門医の診察や療法を受ける必要があります。
睡眠環境の改善を
一方で、不眠のために睡眠ポリグラフ(PSG)計測をしたところ、マットレスが良かったので寝られた、という例にあるように、不眠で寝られない、という方が寝具を変えたらよく眠れるようになったということも事実です。
少なくとも、症状によって最適な寝具を用意することで、改善が期待出来ます。
また、アロマテラピーやリラックスのための音楽、快適なバスタイムなど生活を楽しみながら、ストレスを減らすことも大切です。
寝入るまでに時間がかかる(入眠障害)
睡眠潜時というのは、床に入ってから実際に入眠までまでの時間をいいます。これが30分以上だと、寝入りが悪いということになります。精神的なストレスなどは大きな要因ですが、体質的にみると、冷え性など血行が良くない方は寝入りが悪い傾向があります。
冷え性だと寝入りが悪い理由
睡眠のメカニズムは、以下の通りです
- 末梢血管の血流が上がり、入眠へ準備を始める(耳たぶが熱くなるなど)
- 深部体温(内臓の温度)の熱が血流と末梢血管をラジエーターとして、外に発散され深部体温が下がる
- 体温が下がることで、入眠する
つまり冷え性のように、血行が悪い方は深部体温が下がりにくいので、入眠しにくいということになります。
体表面の保温を優先する-ウールやカシミヤの毛布が一番
対策としては、体表面の温度ができるだけ素早く上がるような素材を使い、身体のまわりの空気を逃がさない工夫が必要です。保温性の高いカシミヤ毛布、毛足の長いウール素材の掛毛布や敷毛布、ムートンシーツなどがそうです。
血行を促進する温熱電位敷布団や、遠赤外線放出繊維の毛布なども同様の効果が期待できます。
途中でしばしば目が覚める (中途覚醒)
夜中にしばしば目を覚ましてしまい、寝られないという中途覚醒は、特に高齢者に顕著です。高齢者は、基礎代謝や運動量が減るために、どうしても睡眠そのものが浅くなり、眠りのリズムが崩れがちです。

一度目覚めてしまうと、トイレに行って身体が冷えて・・・など睡眠が中断することが多いのです。
中途覚醒を避けるための寝具は
特効薬はありませんが、睡眠が浅くなってきたときに、身体にたいして「寒い」「暑い」「蒸れる」などのストレスがあると目が覚めやすくなります。つまり、これらのストレスをできるだけ減らし、使用した官能評価が高い=「使って気持ちの良い寝具」を使うことで、中途覚醒をさける工夫となります。
眠りたいときに眠れない(睡眠リズム障害)
睡眠リズム障害の典型は時差ボケ(ジェットラグ)でしょう。体内時計と実際の時間がずれるために起こります。
体内時計の修正は、光刺激を使う
ヒトの睡眠は元々25時間周期で、朝の光によってリセットされます。光の入らない部屋で過ごしていると、生活リズムは徐々にずれていきます。

朝一番に陽光を浴びることで、生活リズムの修正ができます。朝の散歩などはおすすめです。
熟眠感が得られない
生活習慣を見直すことで、眠りの正しいリズムを生み出す
睡眠のリズムが崩れているために起こります。まず、適度な運動や食事の改善など、生活習慣を改善することが第一です。また、青白い色はメラトニンの分泌を抑えるため、照明を暖色系にして控えめにする、スマホやテレビなどの目への光刺激を下げるなど、睡眠環境の改善も必要です。

寝具における改善要素は2つです
- 眠りを妨げるようなストレスを与えない、身体に合った寝具
- 官能評価の高い、使用感に優れた寝具
つまり、睡眠に対するマイナス要素を無くし、気持ちよさというプラス要素を増やすことです。
寝具から寒い・暑い・蒸れる・痛いなどのマイナス要因を取り除きます。これらは体質や体格によっても異なります。

一方で、カシミヤ、シルク、リネンなど上質な素材を使うと、気持ちよさがさらに向上するのです。