畳やフローリング向けの敷寝具はどのように選べばいいのか?
ベッド用のマットレスと、畳やフローリングに敷いて使う敷寝具選びの大きな違いはなんでしょうか?
それは畳やフローリングで使用する場合、毎日・あるいは定期的に片付けたりしなければならないために、重量に限度があるということと、敷きっぱなしにした場合にカビのリスクをどれだけ下げることができるか、にあります。
つまり、ベッドに比べると選択肢が狭まってしまうのです。本来であればできるだけ密度の高い(=重量のある)マットレスを使うのが望ましいのですが、ある程度使い勝手と妥協しなければいけないということでしょう。
求められる機能は4つ 自然な寝姿勢・快適な温湿度・体圧分散と寝返り・軽さとカビ対策
自然な寝姿勢を得る
ヒトの健康の基盤には脊椎(背骨)があります。まず、背骨にとって自然な寝姿勢で眠ることが健康への第一歩といえます。
仰向き寝の場合
仰向き寝で最もポイントなるのはEの臀部です。この部分か下図のように落ち込むと腰痛などの原因になります。立った状態と同じS字カーブで支えることが大切です。臀部には体重の44%の負荷がかかりますので、素材の耐久性も重要になってきます。
横向き寝の場合
横向き寝の場合は、特に肩の出っ張り(C)をうまく受け止めて、横から見て背骨が真っ直ぐになるようにすることが必要です。敷寝具が硬いと、肩Cの部分の圧迫が強くなり、肩の筋肉の緊張が続きます。背骨が歪むだけでなく、肩の痛みや肩こりの原因になります。
快適な温湿度(33℃50%)を保つ
保温の鍵は敷寝具にあり。二枚敷が必須
「へたって薄くなったせんべい布団で寒いので電気毛布を使っている」このようなお客様は少なくありません。しかし、厳寒期の床の温度は10℃以下、一方で身体の温度は36℃。26℃もの温度差を、数センチの薄い敷ふとんで保温できるはずがありません。寒いと掛け寝具を、と考えますが、実は床に体温が逃げているということを理解しましょう。床に直に敷く敷寝具の場合は顕著なのです。
おすすめするのは2枚敷、いろいろ研究してきましたが、1枚では無理と妥協の産物になります。2枚と云っても同じものを敷くのではなく、下は身体を適度な硬さで、正しい寝姿勢で支えることができるマットレスを、上には保温+吸湿発散機能を持つ羊毛敷ふとんと機能を考えた組合せをおすすめします。
湿度を調節するために必要な敷寝具
マットレスを敷いて、その上にシーツだけで寝ているという方も少なくありません。そもそもメーカー自体が体圧分散や寝姿勢保持だけを訴えて、温湿度調節をないがしろにし、シーツだけで良いと販売しているケースが少なくありません。嘆かわしいことです。
入眠後には、発汗が大きく急激に温湿度が変化します。これに対応して快適な温湿度を保つにはウールやキャメルなどの獣毛繊維が最も適しています。眠りのプロショップSawadaでは、ウールのベッドパッドや、敷ふとんを上に使うことをおすすめしています。
温度と湿度が上がる夏には、熱のこもりや蒸れを防ぐには、熱伝導率と吸湿発散性に優れた麻素材が一番です。オリジナルのウールベッドパッドや敷ふとんは片面に夏対策のためリネン麻生地を付けています。リネン麻のシーツと組み合わせていただくとさらにベストです。
適度な体圧分散と、寝返りしやすい反発性
ヒトの身体の重量を見ると、腰~臀部が44%で一番重くなります。硬い寝具で寝ると、身体の出っ張った部分に体圧がかかるため、寝返りが増えて眠りが損なわれます。寝たきりになると、その部分から褥瘡(床ずれ)が起き始めるのです。
適度な軽さと、防カビ対策
ストレスのない睡眠のためには、上図のように身体を全体で支えるように体圧分散をしなければなりません。ところが、体圧分散を進めると、低反発ウレタンのマットレスのように寝返りが打ちにくくなります。体圧分散と、寝返りがしやすい適度な反発性のバランスが大切なのです。
ここまでの考え方は、畳の上でもベッドの上でも同じものです。ところが畳やフローリングで使う場合、畳んだり片付けが容易な軽さが必要です。耐久性を考えると、できるだけ密度の高い素材を使いたいところですが、ウレタンなど比較的に軽い素材を選ぶことになります
一方、ウレタン等のマットレスはカビのリスクが高くなります。ウレタン面とフローリング面が密着し、しかも1~2月の厳冬期は結露しやすいのでカビがどうしても生えるのです。このリスクを下げるには、ブレスエアーなど中空タイプの素材を使うのがベストです。一方で、このようなマットレスはカビが生えにくい代わりに、空気を保つのが苦手なので、冬に寒いという欠点もあります。
眠りのプロショップSawadaオリジナルの3レイヤーマットレスⅡは、複合素材を3層構造にすることにより、バランスの良いマットレスに仕上げています。