睡眠の状態を測る計測器が増えてきた
終夜睡眠ポリグラフィー検査(PSG)
睡眠の状態を計測するには、一般的に終夜睡眠ポリグラフィー(PSG)検査を行うのが医療の現場では一般的とされている。特に睡眠時無呼吸症候群(SAS)の判定に使われることが多く、かくいう私(ねむりはかせ)も、SAS検査のために滋賀医大のサテライト病院でこの検査を受けている。

このように身体のあちこちにセンサーを付けるために、なかなか気持ちよく眠れるというものではない。実際にこの検査を受けたときに、3時間ほどで中途で覚醒をしてトイレに行っている。
主観である熟睡感と、客観的な実際の睡眠の質は必ずしも一致しない
この時の体験は非常に役に立っている。というのも中途覚醒をするまでの睡眠は「よく眠れた」と自己判断したのだが、トイレへ行ってから再度睡眠をとろうとするとなかなか寝付くことができない。うつらうつらしているような状況で朝を迎えたので「よく眠れなかった」という状況だった。
ところが、後で睡眠の状態を教えていただいたところ、「よく眠れた」前半の睡眠はノンレム睡眠がステージ1~2がほとんどで深睡眠はほとんど見られない。一方、「寝られなかった」後半4時間の睡眠は、最初の1時間ほどは悪い状態が続いたものの、後半には深睡眠が多く出ていて、客観的には悪くない睡眠が取れていることになった。
「よく眠れた」でも睡眠の質が悪い場合や、「眠れなかった」けど睡眠の質は確保できている場合がある
睡眠の質は確保できていたとしても、実際「眠れなかった」という方は、精神的なストレスを抱えることになる。つまり主観的にも客観的にも睡眠の質を改善していく必要があると思う。
PSG検査を毎日行う訳にはいかない
睡眠の質を計測する最も正確な方法といわれるPSGだが、実際に毎日行うにはハードルが高すぎるし、検査代もバカにならない。そんな状況だが、ここ10年ぐらいで睡眠の状態をモニタするさまざまな機器が生まれてきた。
アクティグラフ(睡眠活動計)
これは、腕時計のような形をしたもので、中に加速センサーがあって、身体の動きを常時図ることにより、睡眠しているか覚醒しているかを調べる計測器で、PSGのように大げさでなく毎日の活動量を測れるために、睡眠日誌的に使われて分析が行われる。ただ脳波を測るわけではないので、正確な睡眠状態を判断することができない。
昨今ではスマートウォッチに疑似的に心拍や呼吸、血圧、中には血中酸素濃度を測ることができる機能が付いたものがあり、体動を含めて睡眠の状況を計測することができるようになっている。安いものだと5千円ぐらいでもあるので、非常に便利になってきた。
初期に出た市販の睡眠活動計の中には、体動を画像でモニタして、音をとることで呼吸やいびきの状態を見るなどといったものもある。
睡眠計測器
敷寝具に敷くことによって、体動や心拍、呼吸から睡眠状態を推計することができる非接触型の睡眠計測器である。記憶にある限りでは最初に秋田大学で開発がなされていたように思う。最初に製品として世に出たのはタニタの睡眠計スリープスキャンで最初のモデルは35,000円とそれまでのものに比べて、非常に安価であった。SDメモリカードでログデータをPC上に移す必要はあったが、画期的だった。
最新のものだと、コンパクトになったものや、WIFIやBluetoothを使って簡単にデータを送ったり、スマホで管理できるようになっているものがある。